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展示会や常設のお話を進めている間、

特急で、しかもお金をかけずにせねばならないものがありました。

それは、部屋の改装です。

今回は改装と什器について書きます。

お店をはじめるってたいへんですね(汗)

 

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写真ではわかりにくいかもしれませんが、

入居当初のメリヤス会館の部屋は壁がうっすらと

クリーム色で、床がはげしい木目調の塩ビでした。

賃貸でしたが、原状復帰はほとんどしなくてもいいということで

どのお部屋も、入居者独自の改装が施されたおもしろいビルでした。

というわけで、うちもやってみることに。

お金をかけず、最小限の改装を!ということで、

まずは壁を白く塗りました。

 

空堀商店街のときもそうでしたが、

お店の改装にはDIYがつきまといます。

毎回やっているので、DIYが好きなんですね〜なんて

いわれることもありますが、大の苦手です。

ペンキを塗ることもやったことがない、釘すら打てないわたしです。

ここは得意な友達にお願いして、協力してもらいます。

 

短大時代から付き合いのある友達、O夫妻。

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壁に塗る道具を買い揃えて、

脚立にあがれないわたしの代わりに

高いとこ塗ってもらって…

ほとんどやってもらったと言っても過言ではなく…^^;

本当に、助かりました。

 

さて、次は塩ビの床。

どうしても塩ビがイヤだった。

同じ階の人達に聞いたら、きっと下から木の床が出てくるよと。

ホントに?

うーーーーん、ちょっとだけめくってみようか!

と、やっちゃった写真がこれです。

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下から木の床でてきたーーーーーーー!

たぶん、4階が作られたときの最初の床ではないか…ということでした。

 

下から木の床がでてきたとはいえ、

部屋全部をわたしひとりで剥がすのは大変すぎる…

そのときはまだ趣佳のお店の手伝いをしていなかった

おーたさんにお願いしました。

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しかし、この床、一筋縄では行かず、

5層にわかれた複雑な床で、廃材がすごい量になりました。

おーたさんもへろへろ。

メリヤス会館の社長さんもびっくり。

何度も様子を見に来られました。(すいません…)

しかも、親の敵?!といわんばかりのめちゃくちゃな数の

釘が打ち付けてありました。

それを一個一個抜いたり打ち付けたり…

危なくないように仕上げていきました。

 

全部塩ビの床を剥がし終わったときの部屋の様子をみて

一番最初に思ったことはやったったー!ってことではなく、

「やってしまった…」でした。

もうこれであと戻りはできない。

このボロボロの床をなんとかキレイにしないと…!

 

高校の先輩で塗装業をされている方がいらっしゃったので

塗料についていろいろ聞いていくうちに

「おれ、いこか?」と。

床なんか塗ったことがない、

コーナンなんてほとんど行ったことがない、

時間がない、お金がない

わたしに断るという選択肢はなく、、、

ものすごく甘えました…。

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そして、塗装で見違えるようにきれいになりました!

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はー、やっと部屋は整った。

この時点で8月初旬ぐらいかな?

次は什器です。

雰囲気のいい什器がほしい。

でもお金がない。

考えに考えて出した結論は「借りる」でした。

趣佳をショールーム代わりにしてもらうという方法。

だれに???

 

会社員時代、たまに遊びに行っていたロハスフェスタ。

そこで展示していた鉄の家具。

ヴィンテージの生地をつかったイスなどおしゃれで印象的でした。

あの人たちを探そう。

ネットで検索ワードを駆使してホームページを見つけました。

STOCKっていう名前だったのか〜!

メールで問合せます。

ロハスフェスタで見てました。ステキな家具。

什器として借りることはできませんか?

展示していて、注文が入ればマージンを取ることなく、

お客様をご紹介します。

そんな内容だったと思います。結構長めのメールを書きました。

会ったこともないのに厚かましいかな〜と思いながらも、

他に手立てがありませんので、送信!

そしたら、早速打ち合わせに来てくれました。

 

そのときに来た女性がふたり…と、赤ちゃん1人。

打合せに赤ちゃんキタ…とびっくりしてましたが、

(しかも1時間ぐらい遅刻してきた)

その赤ちゃんを抱えながら、

メリヤス会館の階段をヨレヨレであがってきた

STOCKのメンバーのひとりが、

今、趣佳で働いてくれている maki さんです。

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どんなご縁があるかわかりませんね〜。

そのときの打合せも順調に進み(というか、ほぼ丸投げで)

当日までに什器を揃えてくれることになりました。

ここで什器について一切をまるなげできたことで

わたしの負担は、かなり減りました。

ありがとう、STOCKさん!

 

しかし、什器を借りるからにはなんにもないというわけには行かない!

家具なんて販売したことないけど、

なんとか注文を取らねば…!というプレッシャーはありました。

 

後日談ですが…

STOCKさんの家具の注文、はいったんですよ。

それもなんとオープン初日の前日9月8日。

初日のために準備していたら、お客様があがってこられて…

へ?と思っていたら、部屋にはいってこられて、

このテーブルいいわね〜!注文したいわ!と。

そんなことあります???

いえ、お店のオープンは明日からですから!なんて

固いことはことはいいません。

いそいそと注文を承りました。

とりあえず1件の注文がそれで決まったので、

わたしが感じていたプレッシャーは少し軽くなりました 笑

そして、記念すべき初売上。

お店をやるって不思議です。

 

展示用の什器は揃うことになりましたが、

バックヤードを隠したり、レジ周りのカウンターなどが

まだ必要です。

ここは、壁の塗装を手伝ってくれたO夫妻に再びお願いします。

簡単な図面を書いて、それで必要な木材と道具をピックアップしてもらい

コーナンに買いに行きました。

組立作業のときには、わたしはなにもできることがなく、

木材にヤスリをかけたりしていただけのような…^^;

O夫妻は学生時代の友人ですから、いろいろくだらない話も

しながら作業していました。

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そこで奥さんのほうが、

「お店ができたら、やとってもらわなあかんわ〜」と

冗談のようにいいました。

つぎに旦那さんが作業をしながらわたしの顔も見ず

「おねげえしますだ」と言いました。

 

この一見ふざけているような「おねげえしますだ」に、

わたしはガーン!ときてしまいまして…^^;

旦那さんはいつも遠慮がちで、普段からなにかを

お願いしたりしない人という印象だったし、

あの「おねげえしますだ」は重たかったですね…

本人は覚えてないかもしれませんけど…

いつか人を雇えるときがきたら、働きにきてもらおうと決めました。

それが、今働いてもらっているoguさんです。

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そんなoguさんから、ひとつ不思議な贈り物がありました。

 

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このテーブル。

一枚板がのっかってるテーブルです。

oguさんは、数年前にこのテーブルを知人から譲り受けたそうで、

でも、自分の家にはあわないかなにかで、使わなかったそうです。

そのテーブルの話は、わたしが会社員時代に聞いていて

使わないテーブルをなんでもらったの?と疑問でした。

そのoguさんの答えが

「やえちゃんがお店やるときに使うやろ〜!」でした。

それを聞いたときは、趣佳のことなんて思いついてなかったし、

お店をやろうなんて少しも考えたことがなかったので

なにをテキトーなこと言ってるんだろ…と思って流していたのですが

 

………そのときが来て、こうして届きました。

ちょっとオカルトっぽくてコワイんですけど〜!

 

そのテーブルは姿を変えて、今もここ空堀の店舗什器として

がんばってくれてます。

 

ここまでが改装と什器のお話です。

書いてくと、どれだけ他力本願だったかわかります。

この時期、身近な人に

「自分じゃなんにもでけへんのに、他人巻き込んでやりたいことだけいうな!」と

叱られたことも…

岩金さんの人徳ですよ〜なんて言っていただくこともありますが、

わたしじゃなくて、わたしに関わってくれる方が

徳が高い方ばかりなんじゃないかと思います。

納期も予算もめちゃくちゃだったのに、

よく手伝おうと思ってくれました、ホントに。

 

8月後半にはオープン日のフライヤーを

街頭で配る夢をよく見ました。

このお話も、次回で最後です!…つづきます。

 

 

O夫妻がつくってくれたレジカウンターとバックヤードを隠す棚。

ステキになりました^^

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私事ですが…(って今まで全部私事の話ですけども…)

この改装や什器のこと、告知のことにバタバタとしていた

8月の後半、母が職場で倒れ、救急車で病院に運ばれました。

連絡があって駆けつけたときには集中治療室の中でした。

病名は脳出血で、左半身麻痺に。

 

これからの介護のことを考えたら、お店どころじゃない。

もうダメだと思いました。

しかし、その後のリハビリで話せるようになり、

現在は介護施設で介護をうけながら暮らしています。

カラダに麻痺はありますが、カラオケ好きでものすごい口の悪い(笑)

元気なおばあちゃんになっていますので、

今となってはこの話も笑ってできますが、

このときはホントにどうしたらいいのかわからず…

それでも9月9日はやってくると腹をくくって、

目の前のことをやっていくことで精一杯でした。

 

万事休さない。八方ふさがらない。万策尽きない。人生何とでもなる。

20代のときにお世話になった方が教えてくれた言葉です。

この年は何度もこの言葉をくりかえし唱えました。

 
趣佳のはじまりのお話 5 へつづく

 

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