宇陀市榛原

(自宅から最寄りのスーパーまでの道)

 

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
去年11月末に奈良県宇陀市に自宅を引っ越しました。

宇陀市ってご存知ですか?
長谷寺や室生寺、曽爾高原あたり。
ほとんど三重県に近い奈良県の東の方です。
大和高原の高原地帯に位置しますが、標高?はあべのハルカスを超えます。
夏は涼しく、冬は凍結や積雪があります。

宇陀市に引っ越す前は、大阪市北区中津に住んでいました。
その前は西区、吹田市、浪速区、港区、、、
なんせわたしは自他ともに認める引っ越し好き。
大阪市内で8回引っ越しているのです。

なんで宇陀市に?そんな遠いところに?
とよく聞かれました。
でもなんだかうまく説明がつかず…

自分でももやもやするので、今回はちょっと
まとめておきたいと思いました。

 

住む場所について、趣佳を始めてから少しずつ
考えが変わっていったように思います。

つくり手の工房をまわると、
みなさんのびのびとした環境で、
暮らしを楽しまれている様子。
(実際はわかりませんが…)

たいていの工房は自然が豊かで、
隣近所に住宅が少なく(大阪と比べて)
広い敷地に広い家。(大阪と比べて)

戸建といえども、
メーカーの建売住宅のような家はほとんどなく、
古い家を自分の快適なように改修しながら住んだり
なんだか自由そのもので、
大阪でマンション暮らししかしたことがないわたしは
暮らしっていろいろあるんだなぁ〜!と感じました。

そういう場所から大阪の我が家に帰ると…
なんだか狭く感じる…
気のせいかもしれないけどちょっと疲れる。

北区中津は大阪駅近くで利便性が高いことが気にいる要素でもありましたが
仕事で疲れてくると街なかのよくないところが
ストレスになってきていました。

前を見て歩かない人たち、
景観への配慮がなく、無計画にたてられたビル群、
視界にはいってくる緑の少なさ、色彩のなさ…
便利で刺激がある街なかが大好きだったのに、
人は変わるものです…。

そういうわけで、
ずっと大阪にいるのがしんどくなってきて、
広く抜けた景色や時が止まったような情景を
求めるようになってきました。

工房訪問にクラフトフェア、陶器市。
アクティブにどこでも行かれるんですねと
たまに言われますが、大阪以外の空気を知って、
世界はもっと広々としてるはずだー!と気づいてしまったのかもしれません。

それと仕事の面では
お店はありがたいことに毎日お客様にご来店いただいて
感謝の日々なのですが、店舗業務だけでなく、
オンラインショップも運営している関係上、
撮影や事務作業がどうしても多く
お店以外の作業ができる場所が欲しいと思い始めました。

他に作業場を借りるか…
一番ベストなのは自宅に事務所があったらいいなぁと。

それを叶えるには、広さが必要になります。
当たり前ですが、大阪で探したらすごく家賃が高い。
大阪以外の候補はいろいろありました。

生駒、鈴蘭台、丹波…など。

でもやっぱりダントツに家賃が安かったのが宇陀市。
交通費はかさみますが、今まで支払ってきた家賃と交通費を考えたら
とんとんぐらいでいけそうでした。それぐらい家賃が安い。

榛原駅

(宇陀市のメインになる駅。榛原駅です)

それになんといっても、宇陀市にはスタッフが住んでいました。
はじめての移住で知り合いがいるというのは心強いものでした。
それに宇陀に事務所ができたら、そのスタッフは
大阪に通わなくてもよくなります。
お子さんがいるのに、遠くまで通勤してもらって
わかっていたこととはいえ、少し気になってましたので
そうなれば、どっちもうれしいことかなと思いました。

宇陀市に通っているうちに、具体的な候補となってきて
さまざまなご縁で、住宅敷地内に「離れ」と呼ばれる
10畳ほどの玄関が別にある部屋がついている賃貸住宅をみつけることができ
それからはとんとん拍子で話がすすみ、契約に至りました。

宇陀市榛原

(自宅の近隣。山を住宅地へと変えたので坂ばっかりです)

 

奈良県に住むといったら、いろんなところから
「奈良に2店舗目を?!」と聞かれますが
そういう気持ちもないわけではないですが、
今すぐに…ということではありません。
今は空堀の店舗が楽しいし、オンラインショップを
もう少し充実させたいと思っています。

とか言いながら、わたしのことですから
いいご縁があれば、ひょいとそれに乗っかるかもしれません。
先のことはいつも楽しく妄想しています。フフフ!

 

住環境のいい田舎で仕事場もありながらそこで暮らしていく。
これはある意味わたしにとって理想の形になりました。

わたしの理想の暮らしとは、自分に快適な暮らし。

振り返れば、最初の一人暮らし。
あのときが一番快適だったように思います。

バイトやフリーランスで請けた仕事を自宅でやっていたあの頃。
家のことと仕事がごちゃごちゃな暮らし。

今も休日と言いながらも、離れではスタッフが働いているので
気になることがあれば、洗濯機を回しながらでも聞きにいけます。
届いた作品を確認してから、台所に戻り夕飯の支度ができます。
わたしにとって両方できるというのはとても安心で快適です。

それは大阪では無理だったのか?
いえ、できたと思います。

空堀の店舗のすぐ近くに住むことも考えていました。
でも、緑の多い広々とした場所に住みたかった。
いうなれば、しっかりと「オフ」にしたかった。

宇陀の自宅近辺は住宅街で宇陀の中では
「街」という位置づけですが、顔をあげれば山。
遠くに視線が抜け、その先には緑が。
深呼吸すれば緑のかおり。
夜はしっかり暗くて、朝は鳥の鳴き声。
心身ともにリラックスします。
(時間帯によっては、集団登校の子供の声や自動車通勤の車の音もします、もちろん!)

お店からの距離が遠いというのも「オフ」することに
重要な関わりを持っていると思います。

前は、お店から自宅最寄りの中津駅まで、
谷町線で東梅田駅まで行き、そこから御堂筋線でひと駅。
人混みを抜けていたらあっという間に自宅です。

今は、上本町まで20分ほど歩き、
急行に乗れば約50分で最寄り駅の榛原駅へ。
それからは路線バスか駅まで車で迎えに来てもらうかです。

宇陀市榛原

(駅までのバス。バス通勤も混んでないのでゆったりのんびり。ただ本数はやっぱり少ないです)

電車での50分というといろいろできる時間で、
この通勤がいいリセットになっていると思います。
なにせなにも邪魔のない50分。
本を読む習慣もできました。
気になる動画をみたり、個人的なSNSを投稿したり、
好きに使える時間です。今はこの時間が楽しみに。

宇陀市で暮らしはじめて約半年。
この暮らしを気に入っているので
こういうことが書けたのかもしれません。

これからはまたちょこちょこと
宇陀での暮らしのことをブログで書けたらいいなと思います。

街ぐらしが大好きなのに、こんなわたしの思いつきに
振り回されている太田さん目線の移住の話も
いつか書いてもらうのもいいかもしれません 笑

(賃貸の前借り主さんが植えたであろう、庭に咲く花。勝手にどんどん育って花を咲かせてます)

 

 

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